動悸・胸がドキドキ(不整脈)外来では

心臓は時計のように規則正しく拍動を繰り返しています。不整脈とは病的に脈が乱れることをいいます。不整脈が多くなると胸がどきどきするなど動悸といった症状で現れることが多いです。また脈が抜ける、脈がとぶ、といった症状で現れることも多いです。不整脈のタイプの中には気を失うなどの失神症状、めまい症状をきたすものもあります。こういった症状の方は不整脈外来の受診をお勧め致します。

なぜ胸がどきどきするのか―

大勢の人の前で話すとき胸がドキドキするといったことはよく経験することだと思います。心拍は、交感神経と副交感神経からなる自律神経によってコントロールされており、日中の活動時や不安や緊張など、ストレス状態にあるとき交感神経の働きが高まります。交感神経が活発になると、筋肉が緊張し、血圧や心拍が上がり、呼吸は浅くなります。それとは逆に睡眠中などでは副交感神経が活発になり、体は緩み、血圧や心拍も下がり、リラックスした状態になります。
緊張しているときの動悸は交感神経の働きによるものなので正常の反応といえますが、特に緊張するような場面でもないのに、頻繁にドキドキと動悸がするのは病気のサインであり、重篤な病気が隠されている場合もあります。少しでも不安に感じたら、早めに受診することをお勧めします。

当院では、適切な検査を行うことにより動悸が起こる原因を究明し、適切な治療を行うことを心掛けています。

不整脈(動悸)に関し当院で行う検査について

循環器内科は、心臓と血管(動脈と静脈)の疾患を専門に診療する内科です。当院では循環器の異常を診断するために以下のような検査を行います。

検査1:心電図、24時間ホルタ―心電図

1)心電図

心電図検査心臓の筋肉は洞結節から出る電気の信号により動くことができます。心臓が全身に血液を循環させるために拡張と収縮を繰り返すとき、微弱な活動電流が発生します。その変化を波形として記録することで、例えば心筋梗塞や不整脈などの疾患を診断することができます。健康診断などで病気発見の最初の一手としてよく用いられます。

2)24時間ホルター心電図

24時間ホルター心電図小型軽量の装置を身につけて、日常生活中の長時間の心電図を記録して、これを解析して観察する検査です。 不整脈は出たり出なかったりするため、実生活の中で長時間の心電図を記録し続けるこの検査が欠かせません。記録した波形をみて症状との関連を調べたりすることもできます。

検査2:エコー検査 … 心エコー、頸動脈エコー

エコー検査とは、超音波を対象物に当てて、その反射を映像化することで対象物の内部の性状を調査することのできる画像検査法の一つです。

1)心エコー

心エコー主に、以下二つの診断を目的としています。

1.心臓の形の異常を発見する形態的診断
2.心臓の働きを見る機能的診断

特に、心臓は常に拍動していますが、その動いている状態をそのまま観察できるとても有用な検査です。 心室や心房の大きさや壁の厚さ、壁の動き、弁の形態や動きなどがわかり、心臓の基本的機能を判断することができます。

2)頸動脈エコー

頸動脈エコー頸動脈に対して行う超音波検査のことで、主に動脈硬化の状態を見ることができ、簡便で視覚的に動脈硬化の診断が出来る検査です。

また、全身の動脈硬化の程度を表す指標を評価できるだけでなく、脳血管疾患に対する評価にも用いられます。

 

検査3:CT検査 … 造影CT(心臓冠動脈、大動脈、下肢動脈)

当院で行っているCT検査は以下の4種類です。

1)冠動脈(心臓)CT検査:造影検査

冠動脈(心臓)CT検査冠動脈を直接見るための方法として心臓カテーテル検査があります。カテーテルとは柔らかいビニールの管(経2~2.5mm, 長さ100㎝)のことで、これを足の付け根の動脈または手首や腕の動脈から挿入します。この動脈に挿入したカテーテルをさらに心臓まで到達させて造影剤を冠動脈に直接注入し、X線で造影剤の影を画にして冠動脈病変を診断します。心臓カテーテル検査は動脈内にカテーテルを通すので、時に重大な合併症が起こり得ます。したがって、急性心筋梗塞や狭心症が強く疑われる「患者」に対してのみ行われます。2004年に冠動脈CT検査が登場してからは心臓カテーテル検査を行わなくても比較的簡便に冠動脈を映し出すことができるようになりました。

冠動脈(心臓)CT検査CT装置は身体を透過したX線を検出しコンピュータで断層像を得る装置です。CT装置には4列、8列、16列、64列、256列、320列のX線検出器が搭載されたものがあります。このX線検出器が多いほど撮影範囲が広いことを意味します。

当院では被ばく量の低い機器を使用して検査をしております冠動脈 CT 検査では64列以上のCT装置が利用されます。心臓カテーテル検査で得られるような形態的な診断に加えて、冠動脈内の血管壁にできたプラークの性状評価も可能となり、多くの情報が短時間で得られるのが特徴です。当院で導入している最新型320列CTは、1心拍0.275秒で撮影が完了(数秒の呼吸停止)し、最新の被ばく低減ソフトウェアを導入したことにより、CT 検査で問題となる放射線被ばくは、以下のように低減しています。

被ばく量の差

日本国内で普及している64列CTとの差:当院で使用する320列での検査を1とすると、64列では15倍被ばくします。

低被ばくソフトウェアが搭載されていない320列CTとの差:当院での検査を1とすると、被ばく低減ソフトウェアが搭載されていない同機種の検査では4~8倍被ばくします。

2)冠動脈カルシウムスコア検査:非造影検査

冠動脈カルシウムスコア検査冠動脈(心臓)CT検査を行う際に、冠動脈カルシウムスコア検査(冠動脈の石灰化程度の診断)を行います。冠動脈石灰化スコアは動脈硬化を評価することにより、将来の心筋梗塞の発症の予想(心臓突然死を予測)をある程度行うことができると考えられています。高血圧、糖尿病、喫煙、家族歴などの心筋梗塞の危険因子を加味することで、さらに詳しく冠動脈疾患の発症する危険度を予知することが可能になります。

当院ではカルシウムスコア検査の結果を利用し造影検査の撮影条件を決定します。低被ばくソフトに頼るだけではなく、撮影条件自体を最適化することで放射線被ばくを最小限に抑え、造影剤の使用量を最小限に抑えることが出来るようになります。これらの条件設定により、安全かつ精度の高い心臓CT検査が可能になります。

3)大動脈、下肢動脈CT検査:造影検査

大動脈、下肢動脈CT検査:造影検査大動脈瘤には、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、心臓から腹部にまで達するような広範囲な動脈瘤も存在します。大動脈瘤はほとんどが無症状で、腹部大動脈瘤の場合は、胃潰瘍や胆石症などの消化器疾患を診断するために腹部を触診した際、しこりが拍動していていることで発見されたり、超音波検査や CT 、MRI検査で偶然発見されることがあります。症状があっても痛みが、関節(脊椎)の痛みなのか、臓器の痛みなのか、心臓なのか、動脈瘤などから来る痛みなのか、症状だけでは判断することができないことも多々あります。

閉塞性動脈硬化症(ASO)は下肢動脈に動脈硬化が起こって血管が狭くなったり、プラークで血管が詰まることで下肢を流れる血液が不足し、脚(足)がしびれたり、痛みを伴って歩くことが非常に困難になってしまう血管の病気です。重症の場合、下肢の抹消の細胞、つまり、足や足指の細胞が壊死してしまうので足自体を切断しなければならない場合もあります。

このような大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症など広範囲に及ぶ血管の病気を診断するために、320列 CT が活躍します。実は、これらの病気を診断するためにも今までカテーテル検査が中心となっていました。320列 CT は全身を高速スキャンすることが可能なので、検査時間が非常に短く検査による苦痛を伴いません。大動脈から下肢動脈に及ぶ広範囲に発生する動脈瘤や動脈硬化を一度の検査で診断することができるので、様々な血管の病気を見つけ出すことができます。血管の病気が末期となる前に早期診断、早期治療を実現することが可能です。

4)アブレーションCT検査:造影検査

アブレーションCT検査カテーテルアブレーション手術は不整脈の根治療法のひとつです。大腿部(足の付け根)の静脈から先端に電極の付いたカテーテルを挿入し心臓まで到達させます。不整脈の原因部位へ留置し、カテーテルの先端に高周波電流(交流電流)を流すことにより異常部位を焼灼(しょうしゃく=アブレーション)します。最近では、液体窒素を用いた冷凍凝固アブレーションなどもあります。

アブレーション手術は主に頻拍性上室性不整脈に対して、根治的治療を行います。1回、または、2回の治療でほぼ根治すると言われていますが、中にはアブレーション手術自体は成功しても、不整脈が再発してしまう例が存在します。アブレーションCT検査心房のサイズが再発に かかわる因子のひとつであると報告されているため、心房細動のカテーテルアブレーションを行う際、左心房および肺静脈の相互の位置関係や形状の把握が極めて重要です。解剖学的な情報を前もって得ておくことが,アブレーション手術の治療予後の予測に役立つと考えています。

当院では冠動脈を撮影するのと同様な手技で、左心房を中心としたアブレーション手術シュミレーション画像解析を行います。アブレーション用CTでは以下の画像作成、評価を行います。

1.右上肺静脈、右下肺静脈、左上肺静脈、左下肺静脈の基部(焼灼標的部位)を入れた左心房三次元(3D)画像の作成
2.内視鏡モードによる左心房内3D画像作成
3.左心房と食道の位置を確認するための3D画像作成
4.左右横隔神経の位置を確認するための3D画像作成
5.CT元画像により、左心耳内、左房内血栓の有無の評価

冠動脈評価(重症な不整脈があっても可能な範囲で評価)

検査4:MRI検査 … 遅延造影MRI、負荷perfusion検査など

当院で依頼がある心臓・血管MRI検査の種類は以下の4種類です。

上記の検査は、以下検査の組合せによって実現しています。

1)心筋負荷パーフュージョンMRI検査:造影検査

心筋負荷パーフュージョンMRI検査心筋負荷パーフュージョンMRI検査心筋に血液を送る冠動脈に狭窄があると、労作(運動) 時に心筋虚血による胸痛が起こります。心筋虚血を診断するためには、運動による負荷をかけて心筋血流を増やす必要がありますが、運動をする代わりにATP製剤(アデノシン三リン酸)を利用すると、心筋血流を増やすことができます。ATP製剤を静脈から持続注入すると心筋血流が増えるため、実際に運動をして心臓に虚血状態を作ることなく安全に検査を行えるというメリットがあります。左腕からATPを持続静脈注入した状態で、右腕から造影剤を急速に静注すると、血液が充分に流れているところと、血液が行き届いていない領域(虚血領域)を鑑別し診断することが可能です。

2)心筋遅延造影(LGE)MRI検査:造影検査

心筋遅延造影(LGE)MRI検査造影剤を静脈から注入し、心筋を造影し数分後に特殊な条件でMRIの撮像を行うと、心筋がダメージ(線維化)を受けている箇所がわかります。従来の核医学検査(心筋タリウムSPECT検査)では評価が困難であった心内膜下梗塞などの心筋梗塞の診断が可能です。加えて、心筋梗塞部位の心筋全体の生存の状態がわかるため、冠動脈血行再建治療の適応の判断などができます。その他に心臓疾患には心筋症と呼ばれる疾患群があります。心筋症には心臓が大きくなり動きが低下する拡張型心筋症、心筋の壁が厚くなり著明な肥大をきたす肥大型心筋症、サルコイドーシスの心臓病変(心サルコイドーシス)、心アミロイドーシス、Fabry病などが挙げられますが、こうした心筋症の診断に有用です。また関節リウマチ、強皮症、多発筋炎・皮膚筋炎などの膠原病・自己免疫疾患に伴う心筋炎・心筋症の診断にも有用です。遅延造影検査での陽性所見はその疾患の予後を規定する因子にもなっているので、治療上の重要な指標になります。

3)シネ撮影(心機能評価):非造影検査

シネ撮影(心機能評価)心筋遅延造影(LGE)MRI検査シネ撮影により、心臓の動きの評価や心臓が全身に血液を送りだす機能をみることができます。実際には、心電図と同期させることで心エコー検査のような任意断面の心臓シネ撮影(動画撮影)を行い、これらの画像をワークステーションソフトに読み込ませて心機能解析を行います。心エコー検査のようにいつでもどこでも出来るという簡便さは無いものの、心臓の任意断面を患者の体型などに左右されずに正確に得ることが出来るため、心臓の重さや拍出する血液量を正確に計測することが可能です。

4)冠動脈 MRA検査:非造影検査

冠動脈 MRA検査放射線被ばくや造影剤を用いることなく冠動脈を直接見ることのできる唯一の方法です。血管の走行異常の確認や血管が動脈硬化によって細くなっている状態を立体(3D)画像を作成して診断を行います。放射線や造影剤を用いることなく診断が可能なため、患者様のお身体のご負担が少なく、なおかつ心臓の病気の早期診断、早期治療に役立てられます。但し、MRI 装置を利用して冠動脈を撮影するためには、技師の高度な技術と知識が不可欠であり、限られた医療機関でしか検査ができません。当院では2003年から冠動脈 MRA 検査を実施しており、在籍する技師は豊富な経験と高度な技術を身に付けています。冠動脈MRA検査は、

(1) 対象患者の年齢が若い 
(2) 閉経前の女性で冠動脈病変のリスクが低い
(3) 冠動脈病変の否定をするために画像診断を行いたい
(4) MRI検査に耐えられ息止めができる

このような患者様の場合には冠動脈 MRA 検査がよい適用となります。

5)大動脈 MRA 検査:非造影検査

腹部大動脈胸部大動脈動脈硬化は加齢と共に血管壁が硬くなる病的変化で、全身の血管に起こります。特に細い血管に起こりやすく、心臓の冠動脈(5mm以下)、腎臓の動脈、眼の動脈に起こります。また脳の動脈、胸や腹を流れる大動脈、足の動脈などに起こります。さらに、これらの動脈硬化が進むと心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤など命の危険にさらされる重篤な疾患をきたします。従って自覚症状のない動脈硬化症ですが、日ごろから検査をするなどして気をつけることが肝要です。特に動脈硬化は高血圧や高コレステロール血症、糖尿病、喫煙などで起こりやすく、このようなリスクをお持ちの方は動脈硬化の検査をするとよいと思われます。

高血圧の場合日ごろから血圧を測ることで気づくことができます。しかし血圧測定で使用する上腕の動脈は高血圧になることはあっても、足の動脈に比べると、動脈が細くなりつまったりすることは頻度的には少ないです。足の動脈は普段血圧を測る機会がないばかりか動脈硬化が進むと、血流が少なくなり、歩行時の冷感、しびれ、疼痛などの症状をきたします。このような病気を閉塞性動脈硬化症といい、放置しておくと足が壊疽、つまり腐ってしまい、残念ながら切断に至る方もいらっしゃいます。最近の画像診断法の発達により適切な診断が可能となっているため、悪くなる前にバイパス術や最近ではカテーテルという管をいれて動脈硬化で狭くなった血管を広げる治療が可能になっているため、壊疽にまで至ることは少なくなっています。そのため、ここでご紹介するABIという検査により足の動脈硬化を調べることが重要です。

閉塞性動脈硬化症のリスクのある方は、心筋梗塞のリスクのある方と似ていて、喫煙歴、糖尿病、高コレステロール血症、高血圧の方に多く発症します。このようなリスクをお持ちの方は一度当院のABI・CAVI検査をお勧め致します。この検査は血圧測定と同じ感覚でできますが、一般にある家庭用の血圧計では測定することができません。実際には"あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を専用の機器を用いて約5分程度測定する"という簡便な検査で足や全身の動脈の動脈硬化の程度を評価することが可能です。

この検査では下記の動脈硬化症の診断で重要な3つの評価を行うことが出来ます。

1. 動脈の詰まり具合(ABI)
2. 動脈のかたさ(CAVI)
3. 血管年齢

1)ABI(エービーアイ:Ankle Brachial Index)

ABI検査ABI計測風景上腕の血圧と足の血圧の比率を計算することにより、足の動脈の詰まりを評価します。横になった状態で「腕の血圧」と「足首の血圧」の比をみて足の動脈の詰まりを診断します。通常足の動脈につまりのある場合は足の血圧が下がり、ABIも低下します。ただし、糖尿病や腎臓透析療法をされている方は下肢の血管の硬化が進んでいるため、異常高値を示すことがあります。こういったケースでは足の動脈の虚血の指標として用いることはできません。

2)CAVI(キャビィ:Cardio-Ankle Vascular Index)

大動脈起始部から足の血管までの動脈の弾性、つまり"血管のかたさ"を評価します。値が高ければ高いほど硬く、動脈硬化が進んでいると評価します。ABIと同様に横になった状態で上腕から足の動脈までの脈波を測定し、特殊な計算式により動脈の弾性を評価します。

3)血管年齢

健康な方のCAVI平均値を装置がデータとして持っています。同じ性別、同じ年齢の平均値と比較することで「血管年齢」を算出します。CAVIの値だけでなく、同年代の血管年齢と比較することで多角的に動脈硬化を診断します。

動悸が起こるときに考えられる病気

動悸で問題としなければならないのは、特に緊張するような場面でもないのに、頻繁にドキドキと動悸がする場合です。そのような場合には直ちに処置を行わないと死につながる恐ろしい病気の場合もあります。以下、動悸が症状として現れる病気をご紹介します。

動悸が起こるときに考えられる病気

動悸に合併して起こる他の症状

不整脈(心臓疾患1)

動悸がする原因の1つとして不整脈が考えられます。不整脈とは、脈をとってみると異常に遅かったり、反対に早かったり、不規則になっている状態です。
心臓は筋肉でできた臓器で、その筋肉に微弱な電気が流れて興奮し、動く仕組みになっています。この電気系統(刺激伝導系といいます)に故障が生じると不整脈が生じます。
不整脈の原因として最も多いのは、年齢に伴うものや、体質的なもの、つまり心臓病には関係しないものです。1日または2日にわたって心電図を記録してみると、中年以上ではほとんどの人に、毎日1~10個は不整脈が見つかります。年をとるにつれ、だれでも少しずつ不整脈が増えていきます。ストレス、睡眠不足、疲労などでも不整脈は起こりやすくなります。
脈がたまに飛ぶ程度の人や、症状のない徐脈は心配のないことがほとんどです。また、運動や精神的な興奮によって脈が速くなる場合も心配ありません。しかし、心筋梗塞などの命の危険をはらむ病気によって動悸が起こることもあるため、不整脈を感じたら受診することをお勧めします。

不整脈の種類

徐脈 … 脈が1分間に50以下の場合

脈が極端に遅くなり、数秒以上、脈がとぎれるようになると、ふうっとなったり、めまいがしたり、ひどい場合は意識がなくなって倒れたりする場合があります。脈の遅い状態が続くと、体を動かす時に息切れするようになります。

頻脈 … 脈が1分間に100以上の場合

脈が速くなるとドキドキと動悸がし、さらに脈が速くなると心臓が十分な血液を送り出せなくなって、吐き気や冷や汗、意識が遠くなる症状がでる場合があります。

期外収縮 … 脈が不規則に打つ(脈が飛ぶ)

期外収縮は症状のない場合が多いのですが、症状の出る場合は、脈の飛ぶ感じや、胸部の不快感、きゅっとする胸の痛みとして感じます。
(この時の痛みは胸の狭い範囲で起こり、しかも一瞬または数十秒以内でおさまるのが特徴です)

心不全(心臓疾患2)

心不全の代表的な症状は、動悸や息切れ、呼吸困難、むくみです。
最初は坂道や階段を上る時に動悸や息切れが起こり、病状が進行すると平地を歩いても息苦しくなります。さらに進むと、夜、床につくと咳が出たり、息苦しさで寝られなくなったりします。また足にむくみが出ることもあります。
これらの症状は、(1)ポンプ機能低下に伴い全身の臓器に十分な血液が流れないことから起こる症状と、(2)全身の血液が心臓に戻りにくく、うっ滞することによって起こる症状に分けて説明することができます。

(1)ポンプ機能低下に伴う症状

①疲労感、脱力感:心臓から送られてくる血液量が少なくなるため、筋力が低下し、疲れやすくなります。
②四肢の冷感・チアノーゼ:末梢に血液が行きにくいため、頬、耳たぶ、手足の指先が冷たく、青色を帯びてきます。
③その他:心不全の初期には夜間の頻尿が認められることがあります。

(2)血液のうっ滞によって起こる症状

①息切れ:血液が心臓に戻りにくく、血液中の水分が血管から肺にしみ出す(うっ血する)ようになると軽い運動でも息切れするようになります。
②呼吸困難:夜間就寝中に起こる呼吸困難を発作性夜間呼吸困難といいます。そうした場合、イスに腰掛けるなどの姿勢をとると呼吸が楽になります。これを起坐呼吸と呼んでいます。ときに気管支喘息と誤ることがあります。
③むくみ(浮腫):うっ滞した静脈から水分がしみ出た状態をいいます。下肢によくみられ、むこうずねの下あたりを強く抑えると指のあとが残ります。また、むくみがあるとその分体重が増加しますので、短期間で体重が増加する場合は要注意です。
④その他:食欲不振や時に頸静脈の怒張がみられます。

また、最近よくみられるのが高齢者の心不全です。高齢者の場合、日常生活では症状がはっきりとは現れないことが多く、息切れなどがあっても歳のせいと思い、見過ごしがちです。風邪などを引いた時に、急に心不全症状が現れるといったことがあります。心不全による脳循環障害を起こすこともあるので、原因のわからない痴呆症状など精神症状が現れたら注意をしてください。
高齢者は全身の水分量が少ないため、脱水により心拍出量が低下しやすかったり、逆にむくみが現れやすいのが特徴です。また、心臓に血液が戻ることが障害され(拡張不全)、通常の検査では原因がわかりにくい場合もあります。

3. 狭心症(心臓疾患3)

身体に負担をかけた際に胸がしめつけられるような痛みや息苦しさが出る。普段の生活では特に症状に変化は無いものの階段の昇降時や寒い日など心臓に負担がかかる日に胸がしめつけられるような痛みや息苦しさが出る。左腕に痺れ(しびれ)が出る。こんな症状が狭心症のサインです。胸痛があまり起こらず、動悸や息舌しさなどを感じるケースもあります。正常なときは心臓の鼓動を意識しませんが、心拍数が増えたり、不整脈のために脈が飛んだり、心臓の拍動が強くなったりすると動悸として感じられるのです。

狭心症は冠動脈と呼ばれる血管に動脈硬化などが起こることで心臓に十分に血液を送ることができなくなっているので、心筋が一時的な酸素不足におちいっている状態です。負荷が掛かると胸がしめつけられるような痛みや息苦しさ等の症状が出現します。
狭心症が悪化し、冠動脈と呼ばれる血管の流れが完全に遮断された場合、急性心筋梗塞となります。急性心筋梗塞は死につながることが多い重篤な疾患です。
狭心症の段階で適切な処置を講じる必要があると認識してください。

4. 心臓弁膜症(心臓疾患4)

動悸や息切れ、疲れやすい、胸痛、呼吸困難などの症状が出てきます。心臓の働きが弱く
なると、全身へ血液を上手に送れない状態(心不全)となり、以下の症状がでてきます。
(1) 尿量が減る、体重が増える、むくみ。
(2) 息切れ、呼吸がしにくい、咳や痰が出やすい。
(3) 食欲低下、吐き気、消化不良、体がだるい。

心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。全身に酸素を届けたあとの血液は右心房から右心室へ戻り、肺動脈から肺に送られます。肺で酸素を受け取った血液は左心房から左心室へ送られ、大動脈を通って全身へ酸素を届けます。血液の流れを一方向にするために、心臓内の4つの部屋には、一方向にしか開かないとびら(弁)があります。右心房と右心室の間が「三尖弁」、右心室と肺動脈の間が「肺動脈弁」、左心房と左心室の間には「僧帽弁」、左心室と大動脈の間には「大動脈弁」があります。

弁の開きが悪くなり、血液が心臓の部屋から出て行きにくくなったり(狭窄)、弁の閉じ方が悪くなって、血液が逆流してしまう(閉鎖不全)病気が心臓弁膜症です。その結果、心臓に負担がかかり、放置すると不整脈や心不全をおこします。また、この病気は4つの弁のうち、左の心臓にある「大動脈弁」と「僧帽弁」におこると心不全になりやすく、息切れなどの症状が出やすくなります。

高齢化に伴い、大動脈弁に動脈硬化と同じような変化が起きて硬くなり、うまく開かなくなる「狭窄症」や、弁の組織が弱くなって起きる「閉鎖不全」による弁膜症が増加しています。

5. 高血圧症

高血圧は通常症状はありませんが、頭痛、頭重感、めまい、耳鳴りを感じることがあります。また、高血圧が進んでいくと動悸、呼吸困難、胸痛、むくみや夜間尿、足の痛みやしびれを感じることもあります。
高血圧とは、複数回の各来院時に座位で測定された血圧が、常に収縮期血圧140㎜Hg以上、あるいは拡張期血圧90㎜Hg以上である状態と定義されています。現在の基準では、正常血圧は収縮期血圧が120㎜Hg未満、かつ拡張期血圧が80㎜Hg未満とされています。120~139/80~89㎜Hgは高血圧前状態と定義されています。降圧薬の投与を受けている人は、血圧が正常範囲にあっても高血圧という診断になります。

高血圧は、心臓病、脳卒中の危険因子です。高血圧は、血液を流すために圧力が高くかかっている状態であることですので、脳の血管では出血しやすくなったり、心臓では心臓から血液を送り出すために余計に多くの負担がかかっている状態を意味しています。高血圧は血管に負担がかかりますので、動脈硬化の促進因子です。また、高血圧だけでなく、①脂質異常症(高コレステロール、高中性脂肪)、②喫煙、③糖尿病、④肥満は、動脈硬化の危険を拡大させます。
そのため、高血圧が心疾患を引き起こす割合は健常者の約5倍、高血圧の人が肥満となり、更に糖尿病又は高コレステロールが加わると心疾患を引き起こす割合は健常者の約35倍に跳ね上がるといわれています。
高血圧を放置しないで下さい。

6. 低血糖症

空腹、発汗、震え、不安、動悸、口唇乾燥など(自律神経症状)が、血糖値が急速に低下した場合の症状として出現します。
血糖値は、食事によって多少の変動をしています。血糖値がこの正常な変動幅を超えて低いほうに傾き、それによる症状が現れるのを、低血糖症といいます。糖尿病の薬剤を服用中の方に多い症状です。
血糖値の正常な変動幅は、だいたい70~120㎎/dlの間におさまっています。しかし、生理的な低血糖は、絶食時間の長さ、年齢、性や妊娠の有無などによって、正常な人でも通常示さないような低い血糖値を示すことがあります。この場合は、イライラ感が強いくらいの症状で治まることが多いようです。
一般に低血糖症状は、自律神経症状と中枢神経症状に分けられます。血糖値が急激に下がる時は自律神経症状が強く、血糖値が緩やかに下がる時は中枢神経症状が強く出ます。

中枢神経症状

意識の混乱、おかしな行動、集中力の散漫、眠気、発語困難、頭痛、複視、けいれん、昏睡などです。

自律神経症状

空腹、発汗、震え、不安、動悸、口唇乾燥などです。

無自覚性低血糖

その他に、無自覚性低血糖があります。
本人が低血糖症状を発しないものの、他人の介助を必要とするものをいいます。

7.バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

動悸がどんどん酷くなる。安静にしていても動悸が止まらないという場合にはバセドウ病を疑います。息切れ、体がだるい、微熱が続く、手足が痺れる、手が震える、お腹が異常に減る、痩せる、寝つきが悪くなる、暑がりになる、疲れやすい、喉のあたりが腫れる、イライラするというような諸症状もバセドウ病の特徴です。
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に作られる病気、すなわち甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気です。
ほかの甲状腺の病気と同じように女性に多い病気ですが、その比率は男性1人に対して女性4人ほどです。発病年齢は、20歳代、30歳代が全体の過半数を占め、次いで40歳代、50歳代となっており、青年から壮年に多い病気といえるでしょう。
甲状腺ホルモンが過剰に作られないようにする治療を行います。 内服薬治療(抗甲状腺薬、場合によりヨウ素剤)、放射性ヨウ素治療(アイソトープ)、手術の3つの方法があります。どの方法を選ぶかは、その人の病状、年齢、社会的状況などによって変わってきます。

8. 貧血

動悸や息切れ、疲労感、全身の倦怠感、頭重感、顔面蒼白、狭心症様症状などが貧血の症状です。
立ちくらみ(いわゆる脳貧血)は貧血状態で起こりやすくなりますが、貧血でなくても急に立ち上がったり、緊張状態で立位の時間が続いたりすると起こることもあります。多くは自律神経機能の一過性の不調により下半身の血管が縮まらず、その結果、上半身が血液不足になって起こります。
貧血の人の約7割は『鉄欠乏性貧血』です。体内の鉄分が不足するために、ヘモグロビンが順調につくられなくなるのです。
血液は血しょうと呼ばれる『液体成分』と赤血球、白血球、血小板という『血球成分』から構成されています。血球成分は、成人の場合、骨髄でつくられ、ヘモグロビンは赤血球に含まれる赤い色素のこと。赤血球がつくられるためには、鉄とタンパク質が必要になります。
貧血は血液検査を行うことでわかります。また、貧血の程度によっては食事療法だけでなく、鉄剤の服用などの治療が必要になることもあります。

9.気管支喘息

喘息を起こしてしまうと、同時に動悸症状が見られることがあります。これは発作的な呼吸困難に、心臓が反応し多くの血液を循環させるためです。しかし、患者はやはり動悸症状よりも呼吸困難で気が動転してしまっていることが多いようです。気管支喘息では、慢性の気管支の炎症や、アレルギーによって気道が過敏になって狭くなる症状があらわれると、息が苦しくなる発作を繰り返します。喘息の発作時には、のどが詰まる感じがあらわれ、次いでせき、たん、ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸音(喘鳴・ぜんめい)、呼吸困難が続きます。息を吸うときより吐き出すときの方が苦しくなるのが特徴です。
また、喘息症状の薬の副作用として動悸症状が現れる場合があります。喘息症状を抑えるために吸引薬(発作時には気管支が細くなっているために呼吸困難を起こしてしまうのですが、これを拡張する薬)を用いてこれを改善しますが、薬は心拍数を上げる作用があるため、動悸が起こる場合があります。
通常であれば全く気にすることはないのかもしれませんが、頻繁にこのような症状が現れてしまうと、継続的に心臓に負担がかかってしまいますので薬の量の調整などが必要になります。

10. COPD(慢性閉塞性肺疾患)

重症化に伴い動悸が起こりますが、代表的な症状として慢性の咳と痰です。体を動かした時に息切れも良く起こります。
他の症状としては朝方の頭痛、体重の減少や食欲不振、浮腫、頻尿などがあり、また症状の悪化による心理的ストレスからうつ状態になったり不安症になったりという精神症状も出てきます。
COPDの正式名称は慢性閉塞性肺疾患と言います。有毒なガスや粒子を吸入することで肺に炎症を引き起こす進行性の病気です。 主に肺胞組織の破壊が進行して肺気腫になるタイプと中枢気道病変が進行して慢性気管支炎になるタイプとがあります。日本では2000年~2001年に行われた疫学調査によって40歳以上の成人の約8.5%、530万人もの人がCOPDに罹患していることが分かりました。
厳密な病態として肺気腫と慢性気管支炎は別物ですが、この時の調査でCOPDに罹患している人の原因から発症までのプロセスに非常に共通点が多いため、肺気腫と慢性気管支炎とを慢性閉塞性肺疾患としてまとめられました。したがって肺気腫か慢性気管支炎のどちらかに罹患しているかあるいは両方発症している人はCOPD患者という事になります。ゆっくりと肺の機能が低下して徐々に呼吸が苦しくなり、最終的には呼吸不全になることもある病気で、一度罹患してしまうと根治は出来ません。COPDの原因の90%は喫煙です。
COPDを予防するには禁煙が重要です。COPDを発症してからの禁煙の効果は限定的です。なかなか禁煙できないという場合には、当院の禁煙外来を受診してください。

11. 肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)

動悸の他に息切れ(呼吸困難)や、冷や汗、失神、胸の痛み、発熱、咳(せき)等が初期の症状です。突然の意識消失や心停止が起こることもある非常に恐ろしい病気の一つです。
肺血栓塞栓症とはエコノミークラス症候群という名で広く知られている病気です。飛行機のエコノミークラスで旅行すると、長時間狭い椅子に座ったままの状態を強いられることが多く、足の血液の流れが悪くなり、静脈の中に血の塊(静脈血栓)ができることがあります。この静脈血栓は歩行などをきっかけに足の血管から離れ、血液の流れに乗って肺に到着し、肺の動脈を閉塞してしまいます。
原因は1)静脈の血液の流れが(長時間足を動かさないことで)よどんでいる場合、2)静脈の血管が傷ついた場合、3)血液が固まりやすい体質を持っていること(血液検査をすることで判明しますが、1,000人に2-5人程度の確率です)が主たる原因として列挙されます。

動悸に合併して起こる他の症状

不整脈

動悸と不整脈のうち頻脈(脈が速くなる)が安静時に起こるもののうち、数十秒から数分の間に脈が速くなるけれども、脈拍数はせいぜい1分間120までであり、その後徐々に遅くなる場合には、大抵は病的な頻脈ではありません。
自分は心臓が悪いのではないかという不安感をきっかけに、精神的な興奮によって脈が速くなったり、息をしすぎる、つまり「過呼吸」になったりしたために起こることが多いのです。

反対に危険な場合もあります。「脈拍数が1分間に120以上で、突然始まり、突然止まる」、または「まったく不規則に打つ」ものは、病的な頻脈(頻拍)と考えられます。多くは脈拍数が150から200前後になりますので、血圧が下がり、脈が触れにくくなり、同時に息苦しくなって冷や汗が出ます。
とくに、この「頻拍」が心室から出ている場合は要注意です。というのは、血液は心室から直接、全身へ送り出されますから、ここで不整脈が続くのは、血液が全身に回らなくなることを意味します。なかでも心筋梗塞などの心臓の病気のある人に心室頻拍という不整脈が出てきた場合は、より怖い心室細動という不整脈に移行することがあるため要注意です。1分間に150以上の頻脈が続く場合は、不整脈をまず停止させて、その後、頻脈を予防する薬剤を服用する必要があります。

一方、年をとると、10人に1人くらいの割で「心房細動」といって心房の中で電気が空回りして、脈が速くなる状態が起こります。この場合は脈がまったくバラバラに、しかも速く打つようになります。心房細動では、不整脈のために死ぬようなことはまずありませんが、心房細動の状態が続くと、一部の人では心房の中に血のかたまり(血栓)ができやすくなり、それが脳にとんでいって、脳梗塞を起こすことがあります。そのため心房細動を予防する薬のほかに、血液を固まりにくくする薬を飲んでもらうことがあります。

頭痛

頭痛と動悸を伴う病気には様々なものがあります。主なものを挙げておきます。

全般性不安症

全般性不安症というのは精神的な病気です。不安が主な症状となり、はっきりした理由がないのにものすごく不安になり、それが長期間続くという症状です。このような症状を発症すると頭痛や動悸、イライラ、集中力の欠如が見られることがあります。何らかの精神的なショックを受けた経験や、悩み、ストレス、過労、睡眠不足などが原因で起きる病気です。もともと神経質の人によく見られる病気でもあります。
全般性不安症による頭痛や動悸の治療は精神科で行います。

褐色細胞腫

頭痛や動悸の他に、便秘や汗をたくさんかく、代謝亢進、血糖の上昇がみられることがあります。発作的に血圧が急激に上がることもあり、それによって心不全になる危険もあります。
褐色細胞腫は副腎髄質や脊髄に沿った交感神経節細胞にできる腫瘍のことです。遺伝によってこの病気になることもありますが、多くの場合は原因が良くわからないまま腫瘍ができることが多いと言われています。
気になる症状がある場合には当院を受診してください。

低血圧

めまいや頭痛、動悸、失神などが起きることがあります。
低血圧症というのは収縮期血圧が100mmHg未満の状態のことを言います。
低血圧には色々な種類があり、病気が認められない場合もありますし、何らかの病気が原因の可能性もあります。
低血圧の状態が長く続き、頭痛や動悸が頻繁に起きるなら、安心の為にも早期の受診をお勧めします。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

咳や痰、頭痛や動悸に頻繁に襲われる場合にはこの病気を疑う必要があります。
この病気はたばこが原因で起きる病気です。喫煙の習慣のある人で、この病気が悪化すると歯磨きや着替えだけでも息が切れるという状態になります。

この病気にならないようにするためには、まず禁煙をすることが必要です。またインフルエンザワクチンの投与や肺炎球菌のワクチンの投与も感染症にならないようにするため役立つと言われています。インフルエンザワクチンはCOPDの悪化に伴う死亡率を50%低下させると言われています。40歳以上で喫煙歴があり、咳や痰、頭痛や動悸が頻繁に起きるのであれば、早めの受診をお勧めします。

めまい

動悸とめまいは、非常に関連の深い症状で、動悸の症状が見られる人のほとんどにめまいの症状がみられるとされています。三半規管という身体のバランスを調節している器官に何らかの異常が発生することで、脳が異常信号を受け取りめまいを感じるとされています。
めまいは、急に立ち上がった時など目がまわるように感じるたり、足もとの地面が回転しているような感覚に陥り、目の前が真っ暗になってしまったり(立ち眩みの状態)、場合によっては激しい頭痛も発生するとされています。しばらく安静にしていれば回復する事が多いですが、次のような病気が隠れている可能性があります。

(1)血行の異常

このように、めまいは耳の異常や脳の異常が関係している場合もあるのですが、血行の異常がめまいを引き起こしている可能性も考えられます。
このようなめまいの症状は、椎骨脳低動脈循環不全症と言われますが、脳の内の動脈が詰まったりする事で、脳が酸素と栄養不足になってめまいが生じますが血管が詰まっていることで、血圧が高くなってしまい、動悸が生じる事があるとされています。

(2)不整脈

不整脈が発生している場合も、動悸の症状に伴ってめまいの症状が現れやすいとされています。
不整脈に起因するめまい症状は、不整脈が起きることで、心臓から出る血液が十分ではなくなるため頭への血液が足りなくなる時に起こります。このようなめまいを放置すると、不整脈の状態によってはショック状態を起こすことがあるため、循環器科に受診して精査することが必要です。

(3)パニック障害

めまいや動悸、呼吸困難、はきけや腹痛、下痢などの症状に加え、いきなり激しい不安が出てきたりする病気です。
1番の原因になっているのが心の不安状態です。これによって激しい不安を感じたり、心臓がドキドキして、手足の震えがでてきたりします。さらに呼吸が速くなって、息苦しくなってきます。この場合は心の不安をとるため薬の治療やカウンセリング療法が必要です。

倦怠感

動悸と倦怠感が同時に襲ってくるような場合、貧血や、白血病、パニック障害や更年期障害、不安神経症などが考えられます(心臓とは直接関係のあるものではありません)。

(1)貧血

血が薄くなった状態のことをいいます。貧血がひどくなることで動悸や息切れ、倦怠感などの症状がでるようになります。

(2)白血病

「血液のがん」とも言われる白血病は、血球を作る細胞が骨髄中でガン化して無制限に増殖し続けるという病気です。

(3)パニック障害

パニック障害というのは精神的な病気になります。原因ははっきりとわかっていないのですが、突然パニック発作と言われる激しい発作が起こります。激しい動悸とともに恐怖感や不安感も襲ってきます。

(4)更年期障害

更年期障害というのはホルモンバランスが崩れることで起こる症状です。動悸や倦怠感の他にも体がほてったり、発汗やめまいなどの症状がでます。

(5)不安神経症

パニック障害と似ている症状です。パニック障害というのはいきなり発作が起きるものですが、不安神経症というのは、慢性的に動悸や倦怠感が襲ってきます。

 このように動悸と倦怠感が襲ってくる場合には、心臓の疾患ではありませんが、原因をきちんと究明し、治療する必要があります。


息切れ

(1) COPD(慢性閉塞性肺疾患)

長年の喫煙習慣が原因の90%をしめる疾患です。近年増加しており、世界の死亡原因の第4位となっています。喫煙によって慢性気管支炎や肺が弾力を失う肺気腫を引き起こし、せきやたん、動悸、息切れが続くようになります。30~40年近くかけてゆっくりと肺の機能が低下して徐々に呼吸が苦しくなり、最終的には呼吸不全になることもあります。

(2) 気管支喘息

慢性の気管支の炎症や、アレルギーによって気道が過敏になって狭くなる症状があらわれると、息が苦しくなる発作を繰り返します。喘息の発作時には、のどが詰まる感じがあらわれ、次いでせき、たん、ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸音(喘鳴・ぜんめい)、呼吸困難が続きます。呼吸困難と同時に動悸症状が見られることがあります。息を吸うときより吐き出すときの方が苦しくなるのが特徴です。

(3) 貧血

鉄分の不足などが原因で、酸素と結合して酸素を体のすみずみまで運ぶヘモグロビンが減少し、血液中のヘモグロビン濃度が薄くなった状態です。ヘモグロビンの数値が男性は13.0g/dl以下、女性は12.0g/dl以下になると、貧血とされています。体内の組織に供給する酸素が不足するためにだるさや倦怠感、息切れ、動悸、めまいなどの症状が起こります。

(4) 更年期障害

閉経前後の約10年間をさす更年期を迎えると、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少により自律神経のバランスが崩れてほてり、のぼせ、イライラ、息切れ、動悸、めまいや肩こりなど心と体にさまざまなトラブルが生じます。顔が突然カーッと熱くなって首や背中に汗が流れる症状はホットフラッシュと呼ばれ、更年期障害の前半にあらわれることの多い症状です。

(5) バセドウ病

喉ぼとけの近くにある甲状腺から、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患です。甲状腺ホルモンの代謝亢進作用によってのぼせやほてり、多汗、手が震えたり、息切れや動悸の症状が起こります。その他疲労感や体重の減少、甲状腺の腫れ、目が突き出るなどの症状があらわれます。20~30代の女性に多く発症します。

(6) 心不全

心筋梗塞や不整脈などのさまざまな心疾患が原因で、心臓の機能が低下し、体に十分な血液を送り出すことができなくなった状態です。全身の血液循環が悪くなるために肺にうっ血が生じ、呼吸困難、息切れや動悸が起こります。胃腸や肝臓にうっ血が生じると、食欲不振や嘔吐、腹部膨満感などもみられるようになります。

(7) 狭心症

心臓の筋肉に血液を送り込む冠動脈が脂質異常症や糖尿病によって、動脈硬化で狭くなり、心筋へ供給する血流が不足しやすい状態に陥ります。そして、階段の昇降時や寒い日など心臓に負担がかかったときに、数分程度一時的に酸素が不足して、胸が締め付けられるような痛みや息苦しい発作、動悸を起こします。

(8) 心筋梗塞

心臓の筋肉に血液を送り込むのが冠動脈です。その冠動脈が動脈硬化を起こして内腔が狭くなると、血液が固まってできる血栓が詰まり、血流が完全に止まってしまうのが心筋梗塞です。突然、胸に激痛が起こり、痛みは30分から数時間続くことがあります。血流が止まると心筋の壊死がはじまり、その範囲が広がると、血圧が低下して顔面が蒼白になるとともに、吐き気や冷や汗などがみられたり、意識を失って死に至ることもあります。

(9 脳出血

脳内の血管が破れて出血するのが脳出血です。その血管下流への血流がなくなったり、脳の中に出血した血液の塊ができ、それが周囲の組織を圧迫したりして脳の組織の破壊や障害が進みます。小脳や脳と脊髄をつなぐ脳幹部にこれらの障害が起きると、息切れや動悸、激しいめまい、頭痛、吐き気・嘔吐、手足のまひなどの症状があらわれます。

(10) 不整脈

心拍動が標準値(1分間に60~100回程度)を外れて、拍動が多すぎたり少なすぎたり、または心拍動のリズムが乱れるのが不整脈で、息切れや動悸、胸の不快感などを感じます。低血圧や失神、意識消失や心停止に至ることがあり、生命の危険にさらされることがあるので、心臓や循環器の専門医への受診が必要です。

(11) 過換気症候群

過剰な精神的ストレスが引き金となって、突然浅く速い呼吸を繰り返す疾患です。動悸や酸欠状態のような息苦しさを訴えます。呼吸の回数が増えることによって血液中の二酸化炭素が過度に減少し、めまい、手足のしびれや筋肉のこわばりなどとともに呼吸速度が速まます。早まった呼吸を低下させるためには、紙袋で口と鼻を覆い、呼吸をするペーパーバック法が有効です。

(12) 胸膜炎

肺の表面や胸部の内側を覆う胸膜に炎症が起こり、胸腔に水がたまってしまう病気です。肺炎や結核、肝炎などのウイルスや細菌の感染が発症する例がほとんどです。がんの転移が原因の時もあります。
初期は風邪とよく似た症状が見られ、せきや痰(たん)、全身の倦怠感などが表れます。ウイルスや細菌などの感染症による場合は、悪寒や発熱を伴うときもあります。胸水が増えると心臓や肺を圧迫するようになります。左胸に胸水が増えると、その胸水が心臓を抑えつけるため、動悸や息切れを起こしやすくなってしまいます。その他、胸に痛みが表れ、深呼吸やせきをすると痛みが悪化するようになります。胸の痛みは、胸が切り裂かれるような感じの強いものから鈍痛まで、症状はさまざまです。また、痛みが背中にも起こるときもあります。進行し、胸水が増えると、呼吸困難を起こします。