呼吸器疾患について

咳は、持続期間の長さによって、急性(2-3週間以内)、遷延性(2-3週間から2か月)、慢性(2か月以上)に分けられます。

(1)急性の咳

急性の咳を引き起こす原因疾患の中で最も多いのは、ウイルスなどの病原体の感染による急性の上下気道炎です。頻度はずっと低いですが、外傷や肺梗塞など、急激に起きる障害や病気により咳を生じることもあります。持続時間が長い咳ほど、感染症以外の病気の可能性が高くなってきます。

(2)慢性の咳

遷延性・慢性の咳を起こす原因疾患は、わが国では、喘息・咳喘息が約半数を占め、次いで、アトピー咳嗽と呼ばれるアレルギー性の咳の一種が2-30%近くをしめています。その次に多いのが副鼻腔気管支症候群で10%弱、次いで感染の後に咳だけが残る感染後の遷延性咳嗽や逆流性食道炎による咳が、それぞれ5%から10%弱を占めています。

肺結核や非結核性抗酸菌症は、未だに年間一定の割合で新しく発症する患者さんが見つかっており、特に後者は近年増加傾向にあります。百日咳では、菌そのものは身体から排除された後でも、文字通り数カ月咳が残ることがよく見られます。習慣的にタバコを吸う人では、慢性に気道に炎症が生じている結果として咳が出ます。

タバコと関連して、高齢の方では肺がんやCOPDによる慢性の咳も見逃すことができません。年を取ったせいで年中風邪をひいていると思いこんでいたら、実は喘息やCOPDであったり、あるいは肺がんが見つかったという場合もあるのです。間質性肺炎と呼ばれるタイプの肺炎でも頑固な咳が出ることがあります。さらに、精神的なストレスが加わると咳となって現れることもあり、心因性咳嗽と呼ばれています。