CT検査とは

循環器内科で行う心臓CT検査についてご説明いたします。

CTとは、Computed Tomography:コンピュータ断層診断装置 という検査機器のことです。
CT検査は、X線を使って身体の断面を撮影する検査です。
体内の様々な病巣を発見することができますが、特に心臓、大動脈、気管支・肺などの胸部、肝臓、腎臓などの腹部の病変に関しては、優れた描出能が知られています。

心臓CT検査 … 造影CT(心臓冠動脈、大動脈、下肢動脈)

当院で行っているCT検査は以下の4種類です。

1)冠動脈(心臓)CT検査 
2)冠動脈カルシウムスコア検査
3)大動脈、下肢動脈CT検査
4)アブレーションCT検査

1)冠動脈(心臓)CT検査:造影検査

冠動脈(心臓)CT検査冠動脈を直接見るための方法として心臓カテーテル検査があります。カテーテルとは柔らかいビニールの管(経2~2.5mm, 長さ100㎝)のことで、これを足の付け根の動脈または手首や腕の動脈から挿入します。この動脈に挿入したカテーテルをさらに心臓まで到達させて造影剤を冠動脈に直接注入し、X線で造影剤の影を画にして冠動脈病変を診断します。心臓カテーテル検査は動脈内にカテーテルを通すので、時に重大な合併症が起こり得ます。したがって、急性心筋梗塞や狭心症が強く疑われる「患者」に対してのみ行われます。2004年に冠動脈CT検査が登場してからは心臓カテーテル検査を行わなくても比較的簡便に冠動脈を映し出すことができるようになりました。

冠動脈(心臓)CT検査CT装置は身体を透過したX線を検出しコンピュータで断層像を得る装置です。CT装置には4列、8列、16列、64列、256列、320列のX線検出器が搭載されたものがあります。このX線検出器が多いほど撮影範囲が広いことを意味します。

当院では被ばく量の低い機器を使用して検査をしております冠動脈 CT 検査では64列以上のCT装置が利用されます。心臓カテーテル検査で得られるような形態的な診断に加えて、冠動脈内の血管壁にできたプラークの性状評価も可能となり、多くの情報が短時間で得られるのが特徴です。当院で導入している最新型320列CTは、1心拍0.275秒で撮影が完了(数秒の呼吸停止)し、最新の被ばく低減ソフトウェアを導入したことにより、CT 検査で問題となる放射線被ばくは、以下のように低減しています。

被ばく量の差

日本国内で普及している64列CTとの差:当院で使用する320列での検査を1とすると、64列では15倍被ばくします。

被ばく低減ソフトウェアが搭載されていない320列CTとの差:当院での検査を1とすると、被ばく低減ソフトウェアが搭載されていない同機種の検査では4~8倍被ばくします。

2)冠動脈カルシウムスコア検査:非造影検査

冠動脈カルシウムスコア検査冠動脈(心臓)CT検査を行う際に、冠動脈カルシウムスコア検査(冠動脈の石灰化程度の診断)を行います。冠動脈石灰化スコアは動脈硬化を評価することにより、将来の心筋梗塞の発症の予想(心臓突然死を予測)をある程度行うことができると考えられています。高血圧、糖尿病、喫煙、家族歴などの心筋梗塞の危険因子を加味することで、さらに詳しく冠動脈疾患の発症する危険度を予知することが可能になります。

当院ではカルシウムスコア検査の結果を利用し造影検査の撮影条件を決定します。低被ばくソフトに頼るだけではなく、撮影条件自体を最適化することで放射線被ばくを最小限に抑え、造影剤の使用量を最小限に抑えることが出来るようになります。これらの条件設定により、安全かつ精度の高い心臓CT検査が可能になります。

3)大動脈、下肢動脈CT検査:造影検査

大動脈瘤には、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、心臓から腹部にまで達するような広範囲な動脈瘤も存在します。大動脈瘤はほとんどが無症状で、腹部大動脈瘤の場合は、胃潰瘍や胆石症などの消化器疾患を診断するために腹部を触診した際、しこりが拍動していていることで発見されたり、超音波検査や CT 、MRI検査で偶然発見されることがあります。症状があっても痛みが、関節(脊椎)の痛みなのか、臓器の痛みなのか、心臓なのか、動脈瘤などから来る痛みなのか、症状だけでは判断することができないことも多々あります。

大動脈、下肢動脈CT検査:造影検査閉塞性動脈硬化症(ASO)は下肢動脈に動脈硬化が起こって血管が狭くなったり、プラークで血管が詰まることで下肢を流れる血液が不足し、脚(足)がしびれたり、痛みを伴って歩くことが非常に困難になってしまう血管の病気です。重症の場合、下肢の抹消の細胞、つまり、足や足指の細胞が壊死してしまうので足自体を切断しなければならない場合もあります。

このような大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症など広範囲に及ぶ血管の病気を診断するために、320列 CT が活躍します。実は、これらの病気を診断するためにも今までカテーテル検査が中心となっていました。320列 CT は全身を高速スキャンすることが可能なので、検査時間が非常に短く検査による苦痛を伴いません。大動脈から下肢動脈に及ぶ広範囲に発生する動脈瘤や動脈硬化を一度の検査で診断することができるので、様々な血管の病気を見つけ出すことができます。血管の病気が末期となる前に早期診断、早期治療を実現することが可能です。

4)アブレーションCT検査:造影検査

アブレーションCT検査カテーテルアブレーション手術は不整脈の根治療法のひとつです。大腿部(足の付け根)の静脈から先端に電極の付いたカテーテルを挿入し心臓まで到達させます。不整脈の原因部位へ留置し、カテーテルの先端に高周波電流(交流電流)を流すことにより異常部位を焼灼(しょうしゃく=アブレーション)します。最近では、液体窒素を用いた冷凍凝固アブレーションなどもあります。

アブレーション手術は主に頻拍性上室性不整脈に対して、根治的治療を行います。1回、または、2回の治療でほぼ根治すると言われていますが、中にはアブレーション手術自体は成功しても、不整脈が再発してしまう例が存在します。アブレーションCT検査心房のサイズが再発に かかわる因子のひとつであると報告されているため、心房細動のカテーテルアブレーションを行う際、左心房および肺静脈の相互の位置関係や形状の把握が極めて重要です。解剖学的な情報を前もって得ておくことが,アブレーション手術の治療予後の予測に役立つと考えています。

当院では冠動脈を撮影するのと同様な手技で、左心房を中心としたアブレーション手術シュミレーション画像解析を行います。アブレーション用CTでは以下の画像作成、評価を行います。

1.右上肺静脈、右下肺静脈、左上肺静脈、左下肺静脈の基部(焼灼標的部位)を入れた左心房三次元(3D)画像の作成
2.内視鏡モードによる左心房内3D画像作成
3.左心房と食道の位置を確認するための3D画像作成
4.左右横隔神経の位置を確認するための3D画像作成
5.CT元画像により、左心耳内、左房内血栓の有無の評価

冠動脈評価(重症な不整脈があっても可能な範囲で評価)