成人先天性心疾患(ACHD)外来では

 当外来は、先天性心疾患をお持ちの方で成人の方を対象とした専門外来です。
(※Adult Congenital Heart Disease:ACHD)

 先天性心疾患は主に小児科・小児心臓外科の領域として診療されておりましたが、当外来では小児期に先天性心疾患と診断を受けた方が、成人を迎えた後の経過観察や、長く診療を受けられていない方を対象としたご自身の健康状態の把握、遺伝・妊娠・出産・加齢など、ライフステージ毎に起きる問題のご相談などを、心臓領域の専門医である循環器内科専門医の視点から診療することを目的としております。
また、成人後に先天性心疾患と診断を受けられた方の診療も承ります。

 当院の最大の特徴としましては、画像診断専門クリニック内に設置されている専門外来であることをいかし、定期的な精密検査のご相談も承ることが可能です。異常所見がみられる場合には、速やかに提携先大学病院へご紹介いたします。
お気軽にご相談ください。

診療対象となる方

◇ 先天性心疾患があり経過をみられている方
◇ 先天性心疾患があり定期的な診察を受けていない方
◇ 小児期に先天性心疾患の手術が行われている方
◇ 成人後に先天性心疾患と診断された方
◇ 先天性心疾患がある方で妊娠、分娩の相談をご希望される方
◇ 遺伝相談をご希望の方

診療の対象となる疾患例

  など

当外来の診療内容

◇ 現在の状態を詳しく把握されたい方を対象とした、心臓精密検査及び循環器内科専門医による結果説明
◇ 定期診察によるフォロー
◇ 各種ご相談(遺伝について、妊娠・分娩について)
◇ 検査のご相談及び検査の実施(エコー検査・MRI検査・CT検査等)

※ 診察・検査の結果により、手術など高度の医療が必要となる患者様は、大学病院など提携先医療機関へのご紹介をご相談させていただきます。

成人先天性心疾患(ACHD)に関し当院で行う検査について

循環器内科は、心臓と血管(動脈と静脈)の疾患を専門に診療する内科です。当院では、循環器の異常を診断するために以下のような検査を行います。

検査1:心電図、24時間ホルタ―心電図

1)心電図

心電図検査心臓の筋肉は洞結節から出る電気の信号により動くことができます。心臓が全身に血液を循環させるために拡張と収縮を繰り返すとき、微弱な活動電流が発生します。その変化を波形として記録することで、例えば心筋梗塞や不整脈などの疾患を診断することができます。健康診断などで病気発見の最初の一手としてよく用いられます。

2)24時間ホルター心電図

24時間ホルター心電図小型軽量の装置を身につけて、日常生活中の長時間の心電図を記録して、これを解析して観察する検査です。 不整脈は出たり出なかったりするため、実生活の中で長時間の心電図を記録し続けるこの検査が欠かせません。記録した波形をみて症状との関連を調べたりすることもできます。

検査2:エコー検査 … 心エコー

エコー検査とは、超音波を対象物に当てて、その反射を映像化することで対象物の内部の性状を調査することのできる画像検査法の一つです。

1)心エコー

心エコー主に、以下二つの診断を目的としています。

1.心臓の形の異常を発見する形態的診断
2.心臓の働きを見る機能的診断

特に、心臓は常に拍動していますが、その動いている状態をそのまま観察できるとても有用な検査です。 心室や心房の大きさや壁の厚さ、壁の動き、弁の形態や動きなどがわかり、心臓の基本的機能を判断することができます。

 

検査3:CT検査 … 造影CT(心臓冠動脈、大動脈、下肢動脈)

当院で行っているCT検査は以下の4種類です。

1)冠動脈(心臓)CT検査:造影検査

冠動脈(心臓)CT検査冠動脈を直接見るための方法として心臓カテーテル検査があります。カテーテルとは柔らかいビニールの管(経2~2.5mm, 長さ100㎝)のことで、これを足の付け根の動脈または手首や腕の動脈から挿入します。この動脈に挿入したカテーテルをさらに心臓まで到達させて造影剤を冠動脈に直接注入し、X線で造影剤の影を画にして冠動脈病変を診断します。心臓カテーテル検査は動脈内にカテーテルを通すので、時に重大な合併症が起こり得ます。したがって、急性心筋梗塞や狭心症が強く疑われる「患者」に対してのみ行われます。2004年に冠動脈CT検査が登場してからは心臓カテーテル検査を行わなくても比較的簡便に冠動脈を映し出すことができるようになりました。

冠動脈(心臓)CT検査CT装置は身体を透過したX線を検出しコンピュータで断層像を得る装置です。CT装置には4列、8列、16列、64列、256列、320列のX線検出器が搭載されたものがあります。このX線検出器が多いほど撮影範囲が広いことを意味します。

当院では被ばく量の低い機器を使用して検査をしております冠動脈 CT 検査では64列以上のCT装置が利用されます。心臓カテーテル検査で得られるような形態的な診断に加えて、冠動脈内の血管壁にできたプラークの性状評価も可能となり、多くの情報が短時間で得られるのが特徴です。当院で導入している最新型320列CTは、1心拍0.275秒で撮影が完了(数秒の呼吸停止)し、最新の被ばく低減ソフトウェアを導入したことにより、CT 検査で問題となる放射線被ばくは、以下のように低減しています。

被ばく量の差

日本国内で普及している64列CTとの差:当院で使用する320列での検査を1とすると、64列では15倍被ばくします。

低被ばくソフトウェアが搭載されていない320列CTとの差:当院での検査を1とすると、被ばく低減ソフトウェアが搭載されていない同機種の検査では4~8倍被ばくします。

2)大動脈CT検査:造影検査

大動脈瘤には、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、心臓から腹部にまで達するような広範囲な動脈瘤も存在します。大動脈瘤はほとんどが無症状で、腹部大動脈瘤の場合は、胃潰瘍や胆石症などの消化器疾患を診断するために腹部を触診した際、しこりが拍動していていることで発見されたり、超音波検査や CT 、MRI検査で偶然発見されることがあります。症状があっても痛みが、関節(脊椎)の痛みなのか、臓器の痛みなのか、心臓なのか、動脈瘤などから来る痛みなのか、症状だけでは判断することができないことも多々あります。

このような大動脈瘤などの広範囲に及ぶ血管の病気を診断するために、320列CT が活躍します。実は、これらの病気を診断するためにも今までカテーテル検査が中心となっていました。320列 CT は全身を高速スキャンすることが可能なので、検査時間が非常に短く検査による苦痛を伴いません。大動脈の広範囲に発生する動脈瘤や動脈硬化を一度の検査で診断することができるので、様々な血管の病気を見つけ出すことができます。血管の病気が末期となる前に早期診断、早期治療を実現することが可能です。

3)アブレーションCT検査:造影検査

アブレーションCT検査カテーテルアブレーション手術は不整脈の根治療法のひとつです。大腿部(足の付け根)の静脈から先端に電極の付いたカテーテルを挿入し心臓まで到達させます。不整脈の原因部位へ留置し、カテーテルの先端に高周波電流(交流電流)を流すことにより異常部位を焼灼(しょうしゃく=アブレーション)します。最近では、液体窒素を用いた冷凍凝固アブレーションなどもあります。

アブレーション手術は主に頻拍性上室性不整脈に対して、根治的治療を行います。1回、または、2回の治療でほぼ根治すると言われていますが、中にはアブレーション手術自体は成功しても、不整脈が再発してしまう例が存在します。アブレーションCT検査心房のサイズが再発に かかわる因子のひとつであると報告されているため、心房細動のカテーテルアブレーションを行う際、左心房および肺静脈の相互の位置関係や形状の把握が極めて重要です。解剖学的な情報を前もって得ておくことが,アブレーション手術の治療予後の予測に役立つと考えています。

当院では冠動脈を撮影するのと同様な手技で、左心房を中心としたアブレーション手術シュミレーション画像解析を行います。アブレーション用CTでは以下の画像作成、評価を行います。

1.右上肺静脈、右下肺静脈、左上肺静脈、左下肺静脈の基部(焼灼標的部位)を入れた左心房三次元(3D)画像の作成
2.内視鏡モードによる左心房内3D画像作成
3.左心房と食道の位置を確認するための3D画像作成
4.左右横隔神経の位置を確認するための3D画像作成
5.CT元画像により、左心耳内、左房内血栓の有無の評価

冠動脈評価(重症な不整脈があっても可能な範囲で評価)

検査4:MRI検査 … 遅延造影MRI、負荷perfusion検査など

当院で依頼がある心臓・血管MRI検査の種類は以下の4種類です。

上記の検査は、以下検査の組合せによって実現しています。

1)心筋負荷パーフュージョンMRI検査:造影検査

心筋負荷パーフュージョンMRI検査心筋負荷パーフュージョンMRI検査心筋に血液を送る冠動脈に狭窄があると、労作(運動) 時に心筋虚血による胸痛が起こります。心筋虚血を診断するためには、運動による負荷をかけて心筋血流を増やす必要がありますが、運動をする代わりにATP製剤(アデノシン三リン酸)を利用すると、心筋血流を増やすことができます。ATP製剤を静脈から持続注入すると心筋血流が増えるため、実際に運動をして心臓に虚血状態を作ることなく安全に検査を行えるというメリットがあります。左腕からATPを持続静脈注入した状態で、右腕から造影剤を急速に静注すると、血液が充分に流れているところと、血液が行き届いていない領域(虚血領域)を鑑別し診断することが可能です。

2)心筋遅延造影(LGE)MRI検査:造影検査

心筋遅延造影(LGE)MRI検査造影剤を静脈から注入し、心筋を造影し数分後に特殊な条件でMRIの撮像を行うと、心筋がダメージ(線維化)を受けている箇所がわかります。従来の核医学検査(心筋タリウムSPECT検査)では評価が困難であった心内膜下梗塞などの心筋梗塞の診断が可能です。加えて、心筋梗塞部位の心筋全体の生存の状態がわかるため、冠動脈血行再建治療の適応の判断などができます。その他に心臓疾患には心筋症と呼ばれる疾患群があります。心筋症には心臓が大きくなり動きが低下する拡張型心筋症、心筋の壁が厚くなり著明な肥大をきたす肥大型心筋症、サルコイドーシスの心臓病変(心サルコイドーシス)、心アミロイドーシス、Fabry病などが挙げられますが、こうした心筋症の診断に有用です。また関節リウマチ、強皮症、多発筋炎・皮膚筋炎などの膠原病・自己免疫疾患に伴う心筋炎・心筋症の診断にも有用です。遅延造影検査での陽性所見はその疾患の予後を規定する因子にもなっているので、治療上の重要な指標になります。

3)シネ撮影(心機能評価):非造影検査

シネ撮影(心機能評価)心筋遅延造影(LGE)MRI検査シネ撮影により、心臓の動きの評価や心臓が全身に血液を送りだす機能をみることができます。実際には、心電図と同期させることで心エコー検査のような任意断面の心臓シネ撮影(動画撮影)を行い、これらの画像をワークステーションソフトに読み込ませて心機能解析を行います。心エコー検査のようにいつでもどこでも出来るという簡便さは無いものの、心臓の任意断面を患者の体型などに左右されずに正確に得ることが出来るため、心臓の重さや拍出する血液量を正確に計測することが可能です。

4)冠動脈 MRA検査:非造影検査

冠動脈 MRA検査放射線被ばくや造影剤を用いることなく冠動脈を直接見ることのできる唯一の方法です。血管の走行異常の確認や血管が動脈硬化によって細くなっている状態を立体(3D)画像を作成して診断を行います。放射線や造影剤を用いることなく診断が可能なため、患者様のお身体のご負担が少なく、なおかつ心臓の病気の早期診断、早期治療に役立てられます。但し、MRI 装置を利用して冠動脈を撮影するためには、技師の高度な技術と知識が不可欠であり、限られた医療機関でしか検査ができません。当院では2003年から冠動脈 MRA 検査を実施しており、在籍する技師は豊富な経験と高度な技術を身に付けています。冠動脈MRA検査は、

(1) 対象患者の年齢が若い 
(2) 閉経前の女性で冠動脈病変のリスクが低い
(3) 冠動脈病変の否定をするために画像診断を行いたい
(4) MRI検査に耐えられ息止めができる

このような患者様の場合には冠動脈 MRA 検査がよい適用となります。

5)大動脈 MRA 検査:非造影検査

腹部大動脈胸部大動脈動脈硬化は加齢と共に血管壁が硬くなる病的変化で、全身の血管に起こります。特に細い血管に起こりやすく、心臓の冠動脈(5mm以下)、腎臓の動脈、眼の動脈に起こります。また脳の動脈、胸や腹を流れる大動脈、足の動脈などに起こります。さらに、これらの動脈硬化が進むと心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤など命の危険にさらされる重篤な疾患をきたします。従って自覚症状のない動脈硬化症ですが、日ごろから検査をするなどして気をつけることが肝要です。特に動脈硬化は高血圧や高コレステロール血症、糖尿病、喫煙などで起こりやすく、このようなリスクをお持ちの方は動脈硬化の検査をするとよいと思われます。

高血圧の場合日ごろから血圧を測ることで気づくことができます。しかし血圧測定で使用する上腕の動脈は高血圧になることはあっても、足の動脈に比べると、動脈が細くなりつまったりすることは頻度的には少ないです。足の動脈は普段血圧を測る機会がないばかりか動脈硬化が進むと、血流が少なくなり、歩行時の冷感、しびれ、疼痛などの症状をきたします。このような病気を閉塞性動脈硬化症といい、放置しておくと足が壊疽、つまり腐ってしまい、残念ながら切断に至る方もいらっしゃいます。最近の画像診断法の発達により適切な診断が可能となっているため、悪くなる前にバイパス術や最近ではカテーテルという管をいれて動脈硬化で狭くなった血管を広げる治療が可能になっているため、壊疽にまで至ることは少なくなっています。そのため、ここでご紹介するABIという検査により足の動脈硬化を調べることが重要です。

閉塞性動脈硬化症のリスクのある方は、心筋梗塞のリスクのある方と似ていて、喫煙歴、糖尿病、高コレステロール血症、高血圧の方に多く発症します。このようなリスクをお持ちの方は一度当院のABI・CAVI検査をお勧め致します。この検査は血圧測定と同じ感覚でできますが、一般にある家庭用の血圧計では測定することができません。実際には"あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を専用の機器を用いて約5分程度測定する"という簡便な検査で足や全身の動脈の動脈硬化の程度を評価することが可能です。

この検査では下記の動脈硬化症の診断で重要な3つの評価を行うことが出来ます。

1. 動脈の詰まり具合(ABI)
2. 動脈のかたさ(CAVI)
3. 血管年齢

1)ABI(エービーアイ:Ankle Brachial Index)

ABI検査ABI計測風景上腕の血圧と足の血圧の比率を計算することにより、足の動脈の詰まりを評価します。横になった状態で「腕の血圧」と「足首の血圧」の比をみて足の動脈の詰まりを診断します。通常足の動脈につまりのある場合は足の血圧が下がり、ABIも低下します。ただし、糖尿病や腎臓透析療法をされている方は下肢の血管の硬化が進んでいるため、異常高値を示すことがあります。こういったケースでは足の動脈の虚血の指標として用いることはできません。

2)CAVI(キャビィ:Cardio-Ankle Vascular Index)

大動脈起始部から足の血管までの動脈の弾性、つまり"血管のかたさ"を評価します。値が高ければ高いほど硬く、動脈硬化が進んでいると評価します。ABIと同様に横になった状態で上腕から足の動脈までの脈波を測定し、特殊な計算式により動脈の弾性を評価します。

3)血管年齢

健康な方のCAVI平均値を装置がデータとして持っています。同じ性別、同じ年齢の平均値と比較することで「血管年齢」を算出します。CAVIの値だけでなく、同年代の血管年齢と比較することで多角的に動脈硬化を診断します。

診療日・ご予約について

診療日 土曜日(午後 13:00~17:00)
ご予約方法 お電話でご予約ください。

お電話でのご予約
03-6202-3375(受付時間:月~金9:00~21:00、土9:00~18:00)

成人先天性心疾患(ACHD)外来 診療予定

4月 04月08日(土) 八尾Dr
04月22日(土) 石川Dr
5月 05月06日(土) 石川Dr
05月13日(土) 八尾Dr
6月 06月03日(土) 石川Dr
06月17日(土) 八尾Dr
7月 07月08日(土) 八尾Dr
07月22日(土) 石川Dr
8月 08月19日(土) 八尾Dr
08月26日(土) 石川Dr
9月 09月02日(土) 八尾Dr
09月09日(土) 石川Dr
10月 10月14日(土) 石川Dr
10月21日(土) 八尾Dr
11月 11月18日(土) 八尾Dr
11月25日(土) 石川Dr
12月 12月09日(土) 石川Dr
12月16日(土) 八尾Dr