帯状疱疹ワクチンとは
- 焼けるような皮膚の痛み…年齢を重ね免疫力が下がった方は要注意
- 帯状疱疹は水痘(すいとう=水疱瘡(みずぼうそう))の原因ウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster virus)による感染症です。
- 典型的には片側の胸から背中にかけて、帯状に赤い発疹がみられ、特にぴりぴりとした痛みを伴うのが特徴です。 急性期は抗ウイルス薬で治療することが必要ですが、腎機能の悪い方では減量が必要です。通常バルトレックスという薬を1週間ほど使用することになっています。後でご説明するようにウイルスそのものは消えないので、ウイルスの増殖を抑え炎症のピークを下げる働きです。
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心臓の痛みと勘違いして来院される方も多いので、皮膚所見の観察は重要です。
この疾患で一番気をつけなければならないことは、赤い発疹はしばらくすると薄くなりますが、痛みが後に残る場合が多いです。この痛みを帯状疱疹後神経痛(PHN:Post herpetic neuralgia)といい、焼けるような耐え難い痛みで、場合によっては数年も残存し、加えて薬での疼痛コントロールが困難であることが多いのです。下着が擦れるだけでも痛く感じ、これは経験した方でないとわからないような苦しみです。 -
帯状疱疹の原因ウイルスはみずぼうそうのウイルスと同じです。幼少期に水痘ウイルスに一度感染した後、このウイルスは体の神経内に潜伏していますが、年齢を重ねたり、免疫力が低下した場合などに再活性化され発症します。特に、50歳以上の方に多く発症することが知られています。
- このため発症してから治療をしても帯状疱疹後神経痛が残り、その後の日常生活で痛みを我慢しながら過ごすことになると生活の質(QOL)が低下しますので、予防が非常に重要です。
- 50歳以上の方は帯状疱疹ワクチンの予防接種をおすすめします
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厚労省はこのたび2016年に水痘ワクチンを帯状疱疹の予防として使用をしてもよい、という効能・適応の追加承認を行いました。
米国で行われたZOSTAVAXという臨床試験においては、プラセボと比べ50~59歳で69.8%の帯状疱疹発症に対する予防効果が認められています。 - 一度帯状疱疹を発症しその後神経痛が残った中壮年から高齢者の方で、色んな薬を試しても治らず、年単位で疼痛が残存していることを私は見てきていますので、多くの方に接種をお願いしたい次第です。免疫力が低下する病気になってからは接種ができなくなる場合がありますので、元気なうちに接種をお勧めします。
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帯状疱疹ワクチンは、
従来の帯状疱疹ワクチン(生ワクチン)と、新しく認可されたシングリックス(不活化ワクチン)の2種類があります。
いずれも50歳以上の方が対象です。
最近帯状疱疹にかかった方は免疫がつきますので、一年以上空けてからの予防接種が推奨されます。 - ※シングリックス(不活化ワクチン)は、1回目の接種時に、2回接種分の料金41,800円お支払いとなります。
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注意)
ご予約を頂いてからワクチンを取り寄せます。ワクチンの性質や安全上、入荷後のワクチンは返品ができません。
このような背景から、予約申込後のキャンセル(未接種)の場合でも2回接種分の料金を請求させていただきます。また、料金お支払い後(1回目接種後)のキャンセルにつきましても、返金は原則不可となりますので、予めご了承ください。 -
シングリックスのワクチン接種スケジュールについて
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シングリックスは2回の筋肉注射が必要です。
2回目の接種は、1回目の接種から2ヵ月あけ、遅くとも6カ月後までに接種します。 <予防接種を受けることができない人>
- ① 明らかに発熱のある人(37.5℃以上)。
- ② 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人。
- ③ 水痘・帯状疱疹を予防するワクチンに含まれる成分で、過去にアナフィラキシーを起こしたことがある人。
なお、他の医薬品投与でアナフィラキシーを起こしたことがある人は、予防接種を受ける前に医師へその旨を伝え、判断を仰いでください。 - ④ 妊娠していることが明らかな人。
- ⑤ 先天性及び後天性免疫不全状態の人。
例えば、急性及び慢性白血病、リンパ腫、骨髄やリンパ系に影響を与えるその他疾患、HIV感染またはAIDSによる免疫抑制状態、細胞性免疫不全などによる。 - ⑥ 副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤などの治療を受けており、明らかに免疫抑制状態の人。
- ⑦ その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した人。
<予防接種を受ける際に、医師とよく相談しなくてはならない人>
- ① 心臓病、腎臓病、肝臓病や血液の病気などの基礎疾患がある人。
- ② カゼなどのひきはじめと思われる人。
- ③ 予防接種で接種後2日以内に発熱、発疹、じんましんなどのアレルギーを疑う症状がみられた人。
- ④ 薬の投与または食事で皮膚に発疹が出たり、体に異常をきたしたことのある人。
- ⑤ 今までにけいれんを起こしたことがある人。
- ⑥ 過去に免疫不全と診断されたことがある人、及び近親者に先天性免疫不全の人がいる人。
- ⑦ 水痘・帯状疱疹を予防するワクチンに含まれる成分でアレルギーを起こすおそれのある人。
- ⑧ 妊娠の可能性のある人。
- ※ 最近一ヶ月以内に、他のワチンを接種された方は、接種できない場合がございます。
- ※ 帯状疱疹ワクチンを接種すると、約一ヶ月間他のワクチンを接種できなくなります。
<予防接種を受けることができない方>
- ① 明らかに発熱(通常37.5℃以上)している方
- ② 重い急性疾患にかかっていることが明らかな方
- ③ 過去にこのワクチンの成分によってアナフィラキシー(通常接種後30分以内に出現する血圧低下、呼吸困難や全身性のじんましんを伴うアレルギー反応のこと)を起こしたことがある方
- ④ その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した方
<予防接種を受ける前に医師への相談が必要な方>
- ① 心臓血管系・腎臓・肝臓・血液などの基礎疾患のある方
- ② 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた方、全身性発疹などのアレルギーを疑う症状がみられた方
- ③ このワクチンの成分に対して、アレルギーを起こすおそれのある方
- ④ 過去にけいれんを起こしたことのある方
- ⑤ 過去に免疫不全と診断された方、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- ⑥ 血小板が少ない方や出血しやすい方
- ⑦ 妊婦または妊娠している可能性のある方、授乳中の方
- ⑧ 最近1か月以内に予防接種を受けた方
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予防接種は予約制となります。お電話にてご予約ください。
ご予約は接種希望日の14日前よりお受けしております。
帯状疱疹ワクチンとは
帯状疱疹ワクチンの種類・料金(※自由診療です)
ワクチンの種類 | 接種料金(税込み) | 接種回数 | 対象 |
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帯状疱疹ワクチン(生ワクチン) | 9,900円 | 1回 | 50歳以上 |
シングリックス(不活化ワクチン) | 20,900円(1回接種の料金) 41,800円(2回接種の料金) |
2回 | 50歳以上 |
帯状疱疹ワクチン(生ワクチン)の注意事項
帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の注意事項
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処方箋について
処方箋の有効期限は発行日を含めて4日間です。
処方箋の期限延長はできませんので、必ず4日以内に薬局へお持ちください。
期限を過ぎてしまった場合は、再診察、新しい処方箋の交付が必要となります(全額自己負担)。